異論に感謝

アメリカの政治家、著述家であったベンジャミン・フランクリンは、若いころ、よく人と衝突しました。相手と意見が異なると、徹底的に議論をしていたのです。そんな彼に、ある日、知人が声を掛けました。
「君は優秀だが、知ったかぶりをしているという印象を他人に与えていることに気付いていないようだ。意見が合わない相手を議論で負かすという態度では、誰も君に話しかけられないよ。そういうやり方を変えないと友達もできないし、人生がうまくいかないんじゃないか」
これを聞いてフランクリンは目が覚めました。彼は議論で勝つたびに、友人や支持者を減らしていたことに気づいたのです。そこで態度を改め、自分と異なる意見にも耳を傾けるようにしました。すると友人や支持者が増え、結果として、政治家、著述家としても成功を収めることができたのです。
彼は後に、成功した理由のほとんどは、自分と異なる意見を与えてくれた知人のおかげだと述べています。あなたと違う考え方の人は、あなたに新しい考え方を見せてくれているのです。相手を言い負かすのではなく、新しい考え方を取り入れ、もっと大きな視野を持てるように成長していきましょう。
2015年3月『月刊朝礼』より

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